ホームムービー・センター(本部:米国)からのメッセージ
もう随分前から一部のフィルム・アーキビストたちは、20世紀を如実に記録してきた8ミリなど小型映画の行く末を案じていました。《ホームムービーの日 HMD》は、そんな彼らが2002年に発案した記念日です。家族の思い出=フィルムが詰まった段ボール箱は家屋のどこかにしまい込まれたまま、上映されることなど滅多にありません。映写機が故障してしまったから、フィルムの状態が不安だから、あるいは単に面倒臭いから、といったことが理由です。
フィルムをDVDなど新しいメディアに変換して保存すればそれでいいという考え方もありますが、 オリジナルであるフィルムが(それだけでなく、フィルムを上映するために必要な機材も)VHSテープやDVDなど近年のいかなるメディアよりも長持ちするということは、意外と知られていません。むしろ、デジタル・メディアの寿命は半永久的なものだという誤認がまかり通っている昨今、時代遅れのフィルムはいとも簡単に捨てられてしまう運命にあります。そればかりか、フィルムといえば色褪せ、傷が走り、画面がガタガタ揺れているものであると思い込んでいる人も少なくないようです。しかしフィルム制作の映像にはフィルム独特の美しさがあり、つくりも端正で、こと鮮明な色に関しては、DVDでありのままに再現することはできない特性を備えているのです。
HMDの発案者たちは、地域や家庭に眠るフィルムのための祭典が世界規模で催される未来像を思い描いてきました。都会でも地方でも、フィルムの持ち主が地元のフィルム・アーキビストと出会い、フィルムがいかなるデジタル・メディアにも勝るものであることを学び、そして何よりも欠かせないことには、フィルムを実際にみて楽しむ場を共有するという理想の世界です。HMDは、地域の歴史や家族の思い出に光を当てる記念日です。そこでは厄介者であったはずのフィルムが宝物に転身します。同時に各地のフィルム・アーキヴィストにとっては、フィルムの適切な保存方法や扱い方などを解説し、その重要性を訴える晴れの舞台でもあるのです。
記念すべき第1回は2003年8月16日に開催され、大成功をおさめました。2004年8月14日、2005年8月13日、2006年8月12日、2007年8月11日、2008年10月18日と、このイベントを地元で主催するフィルム・アーキヴィストの数は世界規模で増加しています。あなたも、この取り組みに参加してみませんか?
>>>> 国内での開催をお考えの方は、映画保存協会までご一報ください。