年に一度のホームムービーの祭典
《ホームムービーの日 HMD》は、名もなきフィルムに光をあてる記念日です。世界中のフィルムアーキビストの呼びかけにより、家庭や地域に埋もれているフィルムを持ち寄って上映するイベントが毎年この日に催されます。9年目の2011年には世界14カ国(米国・カナダ・ドイツ・オランダ・イタリア・スペイン・日本・フランス・ブラジル・メキシコ・アルゼンチン・オーストリア・英国・タイ)68会場が参加しました。この日をきっかけに貴重な映像が発掘され、映画フィルムの適切な保存方法が広まりつつあります。またこの日は、ホームムービーが記録してきた20世紀という時代を再発見する絶好のチャンスでもあります。

映画保存協会の役割
映画保存協会は、ホームムービー・センター(本部:米国)や映像アーキビスト協会 AMIA の協力のもと、2003年より日本国内でこの記念日の普及につとめています。2011年は弘前・仙台・東京4会場・長野・名古屋・東近江・京都・大阪・神戸の計12会場で映写機がカタカタと音を立て、懐かしい映像がスクリーンに蘇りました。条件を満たした会場には、毎年、「開催補助金」(5,000円〜15,000円)の交付も行っています。
● 世話人会議
HMD開催前(8月) and/or 開催後(11〜12月)に世話人会議を開催します。
● 技能向上
FPS小型映画部は、フィルム・インスペクション講習、映写機操作講習会などを年間を通して企画しています。ぜひご参加ください。
● 今年の一本
各開催地で上映されたフィルムから「今年の1本」を集めて上映会を催し、DVDを作成しています(自由参加)。広報用/資料用に残すものですので、持ち主の方の許諾が得られたフィルムの中から選び、持主・世話人・映画保存協会の三者が同意書を取り交わします。上映時間の長いフィルムは収録できないこともあります。
● 共有データ
当サイトを通してフィルム登録用紙、ロゴマーク、ちらしの雛形などの共有データを提供しています。各地の開催条件に合わせてお役立てください(使用を強制するものではありません)。
● HMDデータベース
過去にHMDで上映されたフィルムのデータベースを構築しています(自由参加)。参加される会場には共通の登録用紙を〆切までに提出していただく必要があります。
もう随分前から一部のフィルム・アーキビストたちは、20世紀を如実に記録してきた8ミリなど小型映画の行く末を案じていました。《ホームムービーの日 HMD》は、そんな彼らが2002年に発案した記念日です。家族の思い出=フィルムが詰まった段ボール箱は家屋のどこかにしまい込まれたまま、上映されることなど滅多にありません。映写機が故障してしまったから、フィルムの状態が不安だから、あるいは単に面倒臭いから、といったことが理由です。
フィルムをDVDなど新しいメディアに変換して保存すればそれでいいという考え方もありますが、 オリジナルであるフィルムが(それだけでなく、フィルムを上映するために必要な機材も)VHSテープやDVDなど近年のいかなるメディアよりも長持ちするということは、意外と知られていません。むしろ、デジタル・メディアの寿命は半永久的なものだという誤認がまかり通っている昨今、時代遅れのフィルムはいとも簡単に捨てられてしまう運命にあります。そればかりか、フィルムといえば色褪せ、傷が走り、画面がガタガタ揺れているものであると思い込んでいる人も少なくないようです。しかしフィルム制作の映像にはフィルム独特の美しさがあり、つくりも端正で、こと鮮明な色に関しては、DVDでありのままに再現することはできない特性を備えているのです。
HMDの発案者たちは、地域や家庭に眠るフィルムのための祭典が世界規模で催される未来像を思い描いてきました。都会でも地方でも、フィルムの持ち主が地元のフィルム・アーキビストと出会い、フィルムがいかなるデジタル・メディアにも勝るものであることを学び、そして何よりも欠かせないことには、フィルムを実際にみて楽しむ場を共有するという理想の世界です。HMDは、地域の歴史や家族の思い出に光を当てる記念日です。そこでは厄介者であったはずのフィルムが宝物に転身します。同時に各地のフィルム・アーキビストにとっては、フィルムの適切な保存方法や扱い方などを解説し、その重要性を訴える晴れの舞台でもあるのです。
記念すべき第1回は2003年8月16日に開催され、大成功をおさめました。2004年8月14日、2005年8月13日、2006年8月12日、2007年8月11日、2008年10月18日と、このイベントを地元で主催するフィルム・アーキヴィストの数は世界規模で増加しています。
あなたも、この取り組みに参加してみませんか?
NPO Center for Home Movies(本部LA/米国)
Home Movie Day is a project of the Center for Home Movies, a registered 501(c)(3) public benefit corporation.
《ホームムービの日 HMD》を発案したのは、以下5名の映像アーキビスト協会(AMIA)の会員です。現在では非営利団体の「ホームムービー・センター」が創設され、2008年に加わった2名と共に世界中でHMDを運営しています。HMDに関わる者の多くがAMIAの会員であり、HMDは現在もAMIAの協力のもとで開催されています。
スノウドン・ベッカー
MIAS, UCLA卒業
AMIA小型映画研究会創設メンバー
現アカデミー・フィルム・アーカイブ パブリックアクセス・コーディネーターブライアン・グレニー
L. ジェフリー・セルズニック映画保存学校卒業
AMIA地域映像アーカイブ研究会副代表
現UCLAフィルム現像所技術者チャド・ハンター
元ジョージ・イーストマン・ハウス復元部門責任者
現アパラショップ社スタッフドワイト・スワンソン
L. ジェフリー・セルズニック映画保存学校卒業
現アパラショップ社スタッフケイティ・トレイナー
元ハーバード・フィルム・アーカイブ・マネージャー
L. ジェフリー・セルズニック映画保存学校卒業
現IFC Center(NY)マネージャー
サンダンス映画祭オペレーター
AMIA復元映画上映会キュレーターアルバート・ステッグ
フリーのフィルム・アーキビスト/フィルム・コレクター
L. ジェフリー・セルズニック映画保存学校卒業
ポルデノーネ無声映画祭データベース統括者モリー・ウィーラー
イェール大学バイネッキ図書館アーキビスト
ニューイングランド・アーキビスト・アウトリーチ委員長