佐和九郎 アルス北原出版社
写真技術の解説書の一部を割くかたちで、8ミリの撮影技術を中心に詳しく解説。ダブル8(レギュラー8)と呼ばれた8ミリ映画がブームとなる前夜に書かれ、出版は国産8ミリカメラの登場とほぼ同時期にあたる。交換レンズやカメラのスペック表を多数含む。
アルス社は北原白秋の実弟、北原鉄雄が戦前に興した出版社で、『アルス最新写真大講座』や月刊誌『カメラ』といった写真関係の出版物も多く、戦前には『アルス最新写真大講座』のうちの一巻を吉川速男氏が担当するなど、小型映画にも関わりの深い出版社といえます。ダブル8の普及を経て、シングル8登場の頃には国産メーカー主導へシフトした8ミリカメラが、まだドイツ製やアメリカ製に重点を置いていた過渡期の出版という部分も興味深い。